本日のスライド
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スマホの場合は、スライドを一通り読んでから記事を読むと理解がしやすいかと思います。
スライドはpdfでダウンロードできますので商用利用目的を除いてご自由にご使用ください。
電気の用途と特性(P. 1)
電気の用途
ご存知のとおり、電気は私たちの生活の身近なところに多く使用されております。
例えば、照明であったり、パソコン、冷蔵庫などの家電、車や電車など様々なところで使用されております。
もはや電気なくして、生活は成り立たないといっても過言ではありません。
電気の特性
なぜこれほどまで、電気が普及したのでしょうか?
それは電気の特性が影響しております。
電気は、
銅線やアルミ線などの金属によりエネルギーを効率的に伝達することができ、かつ電気エネルギーから機械エネルギーや熱エネルギーなどほかのエネルギーに変換しやすいという特徴があります。
例えば、身近なところでは照明は電気エネルギーを光に変換して使用していますし、車や電車では、電気エネルギーをモーターなどを用いて機械エネルギーに変換して使用しております。
電気の正体(P. 2)
電気の正体は電子??
電気といいますが、その正体は実は物質の原子を構成する要素の一つである電子です。
電子は、-の性質を持ち原子の中心にある+に帯電している原子核の周りをくるくると回っていて、原子核の陽子量(+の帯電量)と釣り合う数だけ存在しています。
このくるくる回っている電子が、移動することで電気が流れる(電流が流れる)のです。なお、このように移動することができる電子のことを自由電子といいます。
銅の原子配列と電流
例えば、銅(Cu:元素番号29)の場合は、原子核の陽子量は+29なので、銅原子単体では29個の電子が存在しているということです。
ここで勘違いしないでほしいのは、
電子の移動は最も外側の軌道にいる電子のみが寄与しているということ*です。
これは、外側の電子ほど原子核との結合力が弱く簡単に離れることができるためです。
これにより、隣り合う原子同士で電子の移動が容易に起きます。
この電子の移動のしやすさが、電流の流しやすい特性となり
一般的に金属では電流が流しやすい所以となっております。
*最も外側から一つ内側の電子についても寄与している可能性あり
電気の種類(P. 3)
電気には、静電気と動電気の2つが定義される。
静電気
止まっている(帯電している)電気のことを静電気といいます。
冬に服やドアノブなど触るとパチッとなりますが、あれは静電気の放電現象と呼ばれるものです。
静電気は、自由電子の移動により生じる現象です。
帯電は空気の摩擦や物質間での摩擦、接触時などに自然と起こります。
そして、放電は+に帯電する物質(電子が少ない物質)と-に帯電する物質(電子が多い物質)間で電荷の偏りを一定にするために放電されます。(+と-が引き合うイメージ)
動電気
動いている電気のことを動電気(一般に電流)といいます。
照明のスイッチを入れると電線内の電子が一斉に動き出します。
(直流の場合は、一定方向に動く。交流の場合は、振動しているように動く)
(スライドの図では、直流をイメージしている)
私たちが普段使用している電気のうち大部分は、この動電気であり電子の移動(電流)エネルギーを様々なエネルギーへと変換して利用しています。
電気の速さ(P. 4)
電子の移動する速度
電子の移動する速さですが、一般的にかける電圧や電線などの長さによって異なってはきますが、大体1mm/s程度の速さで移動することが知られております*。
*詳しい計算などは下記の参考サイトを参考にしてください。
http://www.mogami.com/puzzle/pzl-05.html
ということは、1mの電線の端から端まで電流が流れるためには1000秒もかかるということでしょうか?
答えは当然Noです!
だって、照明のスイッチを付けたらすぐに電気は点灯しますよね?
では、電気はどうやって伝わっているのでしょうか?
電気の伝わる速さ
電気は実は、電磁波によって電線間を伝わっており、この電磁波は大体光速\(3×10^8[m/s]\)で伝わります*。
*電線間の誘電率や透磁率で実際は変化する。
例として、スイッチを入れた際の照明への電気の伝わり方をスライドで説明します。
- スイッチがOFFの状態。 電線上の自由電子は停止しています**。
- スイッチON直後。 電線の途中まで電磁波が伝わった状態を表している。 電磁波が伝わった部分の電子は移動を開始するが、伝わっていない部分はまだ停止している**。
- スイッチON後十分時間がたった状態。 照明まで電磁波が伝わった状態を表している。 電磁波の到着により照明内の自由電子が移動をはじめ、照明が点灯する。
**実際には、ランダムな方向に動いており、全体的にみると電子の移動が起こっておらず電流が流れていない。
このように、電気はほぼ光速で伝わるためスイッチをONにした瞬間に照明が点灯する。
1mの電線の先に照明があった場合はスイッチを入れてからおよそ3ナノ秒(0.000000003秒)で照明が付くことになる。(実際には、照明内部の動作時間や電源端、負荷端での反射もあるのでもう少し遅いが)
これは人が知覚できる速さではないので、ほぼ同時に照明が付いたと感じる。
まとめ
今回は、電気についてその用途や特徴から始め、電気の正体や種類、電気の伝わり方について説明させていただきました。
まとめると
- 電気はエネルギーの伝達や他のエネルギーへの変換のしやすさから、現在幅広い分野で使用されている
- 電気の正体は電子であり、金属などの物質は電子が移動しやすく電気が流れやすい特性を持つ
- 電気には静電気と動電気があり、一般的に動電気が多く利用されている
- 電気は、電磁波によって電線を伝わりその速さはおよそ光速\(3×10^8[m/s]\)である